に ょ ろ り
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頭の中を整理して、
所々つっかえつっかえしながらもなんとか話終えると、白い髪の人は厳かにうなずいて
「いまから、2つ君に話しておきたい事があります」
と真剣な表情で口を開いた。
背筋を伸ばしたまま、固い唾液を飲み込んで
胸の内には嫌な予感がじわじわと広がっていくのを感じた。
正座の足に食い込む絨毯の固い感触が勘にさわる。
それはまるで、末期の告知のようだった。
「君は、帰れない」
目を見開いて、紙のように滑らかな肌と長いまつげの下の瞳を見つめた。
黒曜石のように見えた目は、光が当たると血のように紅い事に今更気がついて
ひたすら、ぼんやりと関係ない事を考えようとする脳みそを軌道修正する。
誰か助けてほしかった。
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