に ょ ろ り
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雪のような髪の人は気を悪くした様子もなくお兄さんに視線をやり、微笑しながらうなずく
それを確認してから、口を開いたお兄さんの言葉には聞きなれない言葉が幾つか並べ立てられ
それでも、ナガレワタリという単語が自分を指す単語である事は話の流れでうっすらと理解した。
「それで、その子を見つけたんだんだね?」
「はい」
手短に終わった話に、「ふむ」と考え込むように返事して、雪のような髪の人がしっかとこちらの視線を捉えた
ぴんと背筋が伸びる、なにか聞かれるかもしれない。
一言一句聞き漏らさないように意識を集中し体に力が入った。
「ふふっ」
すると、しばらくこちらを見据えていた雪のような髪の人が面白そうに笑い、目尻に涙でも浮かんだのか指先で拭う仕草をして
「そんなに畏まらなくでも良いよ、なにがあったか話してもらえるかな」
と、すこし小首を傾げてからやはり優しく声をかけてくれたのだった
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