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に ょ ろ り
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中は薄暗いが涼しく、良い香りが鼻をくすぐり香草でも焚かれているのかテント頂上付近の明かりとりの窓から白煙かぬけていくのが見えた。



隅々にまで、厚手の絨毯が隙間なく敷かれ細密な刺繍の施されたクッションに埋もれ体を横たえた、やはり下半身がにょろっとした人が鎮座していた。





「珍しいね」

と口を開いたその声は、年配の女性の声をしていて、その人が身をよじりしゃらりとウロコが擦れる音すら聞こえて来そうなほど、室内は静かだ


すると、にょろっとした年配の女性の前でにょろっとしたお兄さんか膝をついて


「カタナ様、お話ししたい事が」

と畏まり、丁寧な物腰で頭を下げた。


それを見て、あわててこちらも膝をつき年配の女性らしきにょろっとした人に頭を下げる、きっとなんか偉そうな人、いや偉い人なのだろう。



お兄さんと私を交互に見て、年配の女性らしきその人がふと笑ったような声を洩らし



薄暗がりから、少し身を起こした。


天窓からの光でようやくその人が、雪のように真っ白でふわふわとうねった輝く長い髪と黒々とした黒曜石のような目の美しい人だと言うことがわかった、


暖かみのある眼差しは見るものに安心感を与え、思わず肩の力が抜ける


「やあ、はじめまして?
君は誰かな?」

軽やかな、その声は撫でるように優しい事にようやく気がついた。


無意識に詰めていた息を吸い込んで

「…っァ、」


自己紹介しようにも上手く、声が出てこない。
チラリ横目にお兄さんが、こちらを確認した後

「すみません、緊張しているようでして
替わりに私からお話ししても…?」

と半歩、前に出てくれた




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