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◇1ー3

『さくら、泣かないで』

二人と一緒の時は笑顔でいた筈なのに、私が懸命に作った笑顔をたやすく見破ってしまう君。

『な、泣いて…な……も…―っ』

我慢してたのに…
寂しいさを口にしたら、優しいあなた達を困らせてしまうから。

『さ、さくらぁ、さくらが泣いたらミオも…、…ひっ…うー』
『っ…み…おちゃ…』

ダメだって思えば思う程、涙が頬を伝う。
結局、我慢虚しく塞きを切ったようにワーワーみおちゃんと泣きじゃくってしまった。

『大丈夫だよ。おれ達は必ず戻ってくるって』
『ひっく、うー…ちゃ……』
『だから、泣かないで』

ふいに抱き寄せられ、慰めるように背中を撫でられる。

『あー!ずるいー、ミオもさくらぎゅってするー!!』

いつも感情を共有してくれる半身の様な存在のみおちゃんとは違い、傍にいると安らぎとそれから…ドキドキを与えてくれるうーちゃん。

うーちゃんの腕の中で密かにドキドキする私を余所に二人の賑やかな口喧嘩が始まる。
どっちが私を慰めるかで揉めている。
必死にうーちゃんの腕から私を剥がそうとするみおちゃんと素知らぬ振りを決め込んで、私を抱きしめ続けるうーちゃん。

『っ…、…ふっ…』

二人のやり取りに思わず笑ってしまう。

『あー、さくらが笑ったー』

やったー!とバンザイをしながら喜ぶみおちゃん。

『うーちゃん、もう泣かないよ…。さよならするのは寂しいけど、でも、今は楽しいから』

そう伝えると満面の笑顔で応えてくれた。








『約束するよ。おれは必ずさくらのトコに帰ってくるから…』







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