◇1ー2
それから私たち三人は何時も一緒に遊んでいた。
困った時には冷静な判断が出来るしっかり者で頼れるうーちゃん。
少しおませで新しいものが大好きなみおちゃん。
何にでも興味津々で活発な二人。二人に遅れまいと一生懸命追いかける私に優しく手を差し延べ、何時だって傍にいてくれた。
そんな二人と一緒だった頃の私は今とは違い、何にでも進んで向かっていく快活な子だったと思う。
――二人と一緒。
それが私に力をくれてたのかな…
元々私の性格は大人しくて、人見知りの激しい子だった。
でも、二人に出会って仲良くなってからは両親が驚く程、何時も元気一杯だった。
毎日が楽しくて仕方なかった。
ずっと一緒にいられると、傍にいてくれると信じて疑わなかった。
――大切で大好きな二人。
けれど楽しかった毎日に突然終わりがやってきた。
小学校に入学して半年が経とうとしていた頃、うーちゃん達がお父さんの仕事の都合でイギリスへ行く事になったのだ。
母から話を聞いた時は何を言われているか分からなかった。
『悠弥くん、澪奈ちゃんは遠くへ引っ越す事になってね…、さよならしなきゃならないの』
"さよなら…?"
出会ってから三年。
たった三年間だったけど、ずっと一緒にいた。一緒にいるのが当たり前になっていたのに、その当たり前だった毎日がなくなってしまう。
何より大切な二人が居なくなってしまう…。
その事が悲しくて毎日家で泣いていた。
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