◇1ー1
初恋相手は、昔お隣に住んでいたハーフの男の子。
新しいマンションに引っ越した日、挨拶に行く母に連れられてお隣りを尋ねたときに出会った。
『ねえ、かくれてないで出ておいでよー』
恥ずかしくて母の影に隠れていると不意に声をかけられた。
「どうしたのー」と問われるけれど、戸惑ってしまい答える事が出来ない。
『いま、ミオとパズルであそんでたんだ、いっしょにやろう』
更に隠れようと縮こまる私の前に手が差し延べられた。
驚いて顔をあげると、目の前にはよく似た男の子と女の子が立っていて、そのあまりに整った容姿に絵本から飛び出した王子様とお姫様のようだと見とれていたのを覚えてる。
見とれる私に、男の子が少し照れたように微笑みかけてくれた時には恋に落ちてたのかもしれない。
二人の笑顔にすっかり安心した私は、緊張しながらも差し延べられた手をとったのだった。
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