それは貴方への思い 主の大変な日 C 「おう、酒じゃねぇか? 酒はいつも飲んでんだろが……頼むから今日は別のにして――」 そういう輝一殿の耳にそっと言葉を残した。 「……そうか……」 ボクの言葉を聞いた輝一殿は、 「ありがとよ」 と笑った。 “……あとはお願いね……” ボクは最後のトリをハルに任せた。 ハルの贈り物。それはハルにしかできないコト。 最後に意を決し、力強い瞳で輝一殿を見つめるハルを見てから、ボクはその場から消えた。 ――ボクにはこれからやらなければならない重要な仕事が控えていた。 [*前へ] [戻る] |