Merryと言わせてよ
聖夜(前編) B
「交換?」
「そう、ボクのケーキとキミのケーキ、交換するの。それならいいでしょ?」
ヴァルはルーとルーの持ってきたケーキを交互に見、
「…………まあ、いいだろう」
渋々、と言った様子で、そう言った。
人はこれを『妥協』という。
「よしっ! んじゃ、これがボクのケーキ」
ヴァルはケーキを眺めた。
焦げ目一つ無いケーキ生地に塗られた生クリームに、上に乗ったイチゴ――見た目は普通のショートケーキだが、味はそうとは限らない。
「……ヘンなもん、入れてねぇよな?」
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