決裂の末 -psychology and truth- 本編 記録 -d- 丸月罰日 最近雨の日が多い。 雨は別に嫌いではないけれど、特別好きという訳でもない。 僕が1番好きな天気は晴れだ。 腹立つくらい晴れ晴れとしている天気の方が、清々しくて好きだ。 天気予報を見ていたら、明日の天気も雨らしい。 ジュンに傘を返しに行かないと。 丸月罰日 ジュンに傘を返しに行こうと思って、彼の家に行こうとした。 でも途中で道に迷ったから、近くにあった大きな家の人に道を聞こうと思った。 でも出てきたのは金髪の女の人だった。 僕はロボットかと思って怖くなったけれど、その人は道を教えるどころか一緒になって探してくれた。 最終的に家を見つけ、お礼を言う前にその人はどこかに行ってしまった。 優しい人だったなあ。 丸月罰日 昨日の話をジュンにした。 そしたらジュンは面白いくらいに興味を持って、「俺、やっぱりそういうの研究する仕事に就きたい」とか言い出した。 クールなジュンの心を動かしたんだから、あの人はこれを機に人間とロボットの溝も埋めてほしいな。 丸月罰日 …最後に日記を書いた日から2年も経ってしまった。忙しかったのもあるけれど、日記帳が埋まってしまって、買いに行く気になれなかった。 今、僕は中学校生活最後の夏休みを送っている。 ジュンも相変わらずだし、僕も相変わらずだ…と思う。 僕たちは部活にも入っていないから、24時間自由だ。 明日は図書館に行って、ジュンに勉強を教えてもらう。 丸月罰日 やっぱり、ジュンはすごく頭が良い。 僕たち2人の勉強会は非常に有意義な時間だった。 僕なんかとは違って、ジュンは成績もいい。高校に入る気だ。 大体の人は高校に入るけれど、僕はやっぱり就職しようと思う。 僕を女手1つで育ててくれたお母さんに、ありったけの恩返しをしたい。だから、自分でもお金を稼げるようにならないと。 丸月罰日 夏休みの課題となっている、『将来の夢』という題の作文に取り組んだ。 ジュンは中1の頃から変わらず「高校、大学を出て、ロボット関係で機械的な仕事」だった。 そういうの、すごくかっこいいなあって言ったら、お前の夢だって優しくてすごいと思うよ、って言われた。 優しいなんて初めて言われたから、嬉しかった。 やっぱりジュンは気取ってもいないし、皮肉さもないし、とてもかっこいい。良い友達をもったなあ、と思った。 [return][next〕 [戻る] |