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書物〜Storys〜
7月8日~08
紗葉:「はい、到着」
準一:「ここがそうなんだ」
紗葉:「うん。普通でしょ?」
準一:「俺、アパート住まいだから一軒家って新鮮だな」
紗葉:「アパート?マンションじゃなくて?」
準一:「ああ、俺って今は親元離れて一人暮らしだから」
紗葉:「そうだったんだ。どう?一人暮らしって大変?」
準一:「まぁ〜確かに大変だけど…親からの仕送りもあるし、俺自身バイトもしてるからそこまで生活費に困るって事はないかな」
紗葉:「健康面とかは?」
準一:「う〜ん…食事はなるべく自炊するようにしてるけど、あんま得意じゃないかな」
紗葉:「そうなの?以外だな。料理とか得意そうだけど」
準一:「味噌汁とスープ、炒め物にカレー、シチュー、煮物、サラダくらいしか作れないんだよ?」
紗葉:「それだけ作れれば十分だと思うよ。私もそんなものだもの」
準一:「じゃあ、今度料理食べさせてよ。俺も何か作るからさ」
紗葉:「ええ、そうしましょう」
準一:「約束な。さて、それじゃあ俺はそろそろ帰るな。おやすみ、紗葉」
紗葉:「あ、あの!」
準一:「ん、何?」

俺は片手を上げて去ろうとするが、紗葉に呼び止められたのでその場で紗葉に振り返る。

紗葉:「その…少し、上がって行かない?」
準一:「いいの?」
紗葉:「あっと、準一くんが嫌なら別にいいの!でも、もう少しだけ一緒にいたいから…」
準一:「俺は一向に構わないけれど。大丈夫なの?親御さんとかいるんじゃないの?」
紗葉:「ううん、両親は明日の夜まで仕事の関係で出掛けているから、今は誰もいないの」
準一:「そっか。それじゃあ、上がらせてもらおうかな」
紗葉:「本当!?」
準一:「嘘言ってどうするのさ?」
紗葉:「あはは、そうか。じゃ、入ろう」
準一:「うん。お邪魔します」

俺は紗葉に誘われ、導かれるままに紗葉の家の中に入る。
家の中は綺麗に整えられていて、すっきりとしている。

紗葉:「私の部屋に案内するね。付いてきて」
準一:「あ、うん」

俺はいきなり彼女の部屋に案内されるとは思わなかったので少し挙動不審な動きで紗葉の後についていく。
紗葉は廊下の奥にある階段を昇り、二階に上がり、さらに一番奥にある部屋へと俺を案内した。

紗葉:「はい、どうぞ」
準一:「お、お邪魔しま〜す」
紗葉:「座って待ってて。何か飲み物を持ってくるから」
準一:「あ、ありがとう」

そう言うと、紗葉は部屋を出て行った。
俺はというと初めて入った女の子の部屋、しかも大好きな女の子で恋人関係の子の部屋ということもあって、ある種の焦りを覚えていた。
一応落ち着こうと深呼吸を数度繰り返す。すると、だいぶ落ち着いた。
落ち着いた所で部屋の中央にあるテーブルの、ベッドとは反対側の床に腰を下ろし、部屋を見回す。
彼女の部屋はこざっぱりとしているものの、やはり女の子なのか、部屋の片隅には動物のぬいぐるみが置かれている。
俺は何をするでもなくボーっとする。いや、俺がなぜ部屋に招き通されたのか、いまいち理解していないからに他ならないのだが…。
そうしてボーっとしていると、少ししてから、盆に飲み物の入ったコップを乗せた紗葉が戻ってきた。

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