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書物〜Storys〜
7月8日
天気は晴れ!
気分は上々!
今日は絶好のデート日和と言えるだろう。
俺は晴れやかな気分で家を出た。
俺の名前は大原 準一。どこにでもいる男子高校生だ。きっと。
ともかく、今日は念願の気になる女の子とのデートだ。これがウキウキせずにいられるだろうか!?
否!誰だって心踊るに違いはないだろう!
と、いうことで、俺は女の子との待ち合わせ場所へと急ぎ足で向かうことにした。
時間的には全然余裕だけど、やっぱり早めに着いておくことにこした事はないからな。

準一:「それにしても、さすがに暑くなってきたよなぁ…」

陽射しが鋭く俺を照り付けてくる。
今日は7月8日。梅雨も明け、ようやく本格的な夏が到来する一歩手前くらいな季節だ。
別に走っていなくたって、自然と汗ばんでくる。それくらいの気温と陽射し。
だが、待ち合わせ場所の駅前広場までは、俺の家からそう遠くはない。だからそんなに汗は掻かないだろうし、待ち合わせ場所の近くにはちょっとしたショッピングモールがある。どうしても暑いなら、そこで少し涼めば、なんら問題はないという訳だ。

準一:「それにしても飯田さんが、俺の誘いに応じてくれるなんてなぁ」

そう。今日、俺がデートをする女の子。名前は飯田 紗葉さん。
頭脳明晰、容姿端麗、品行方正のおとなしい感じの女の子で学園の男子からも人気が高い。
そんな女の子が、なんの取り柄もないような俺なんかとデートしてくれるなんて……。しつこいようだが、ものすごく嬉しいことなのだ!!
俺は今日の予定を頭の中でおさらいしながら、待ち合わせ場所へ向かった。

◎◎◎

駅前広場に到着。
待ち合わせ時間まで20分前に着いてしまった。
俺は腕時計を見ながら、少し早く着いてしまったなぁとか思う。

?:「ごめんなさい…待たせました?」
準一:「え?」

俺は突然後ろから可愛らしい声と、礼儀正しい言葉遣いに少し驚きながら、掛けられた声の主の方へと向き直った。

?:「あ、おはようございます、大原くん」
準一:「う、うん。おはよう、飯田さん。今日は付き合ってくれてありがと」
紗葉:「いいえ。私の方こそ誘ってもらってありがとうございます」
準一:「全然!俺が一緒に行きたかったから誘ったんだし。飯田さん、男子とはあまり話さないでしょ?」
紗葉:「え、ええ。男の子と話すのは苦手というか…。でも、それが何か?」
準一:「それでさ、俺が誘っても多分断られうだろうなぁ、って思ってたから。結構嬉しかったんだ」
紗葉:「わ、私なんかで喜んで戴けるのでしたら、いくらでも…」

飯田さんが顔を赤らめて俯きながら、聞こえによってはとんでもない事を言うものだから、俺は慌てて訂正しようとする。

準一:「ああぁぁ!!飯田さん!」
紗葉:「ど、どうしました、大原くん!?」
準一:「そういうのは別の意味合いで聞こえちゃう時もあるからね、もっと言い方を変えた方がいいよ?」
紗葉:「あの……そうなのでしょうか?」
準一:「そうなんです!」
紗葉:「では、どのように言ったらいいのでしょうか?」

俺に講義された飯田さんは、少し困った顔で首を傾げながら俺を見上げてくる。
やばい、めちゃくちゃ可愛い。

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あきゅろす。
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