依頼をどうぞ。 壱 とっぷりと全身魔方陣につかれば、すぐに足元から地面に着く。 全身が魔方陣から抜け出して顔を上げれば、そこには見知った迷彩柄のオレンジ頭が。 へらりと笑って狼は常套句を口にする。 「ご依頼ありがとうございます。メンバーナンバー002の狼でございます。精一杯お客様の依頼を解決していきたく存じます。」 ぺこりと頭を下げて相手を見れば、彼はもう限界だとばかりに膝を折った。 それに慌てた狼が駆け寄って支えれば、彼は一筋の涙を流した。 「ありがとう、狼。アンタがもっと遅かったら、俺様、ほんとに過労死しちゃうところだった…」 そう言われてみてみれば、たしかに依然あった時よりも痩せて…やつれてしまっている。 すべすべだった肌もがさがさに乾燥してしまっている。 それをみた狼は、今この状況がいかにこの知り合いの精神をすり減らしているのかが分かった。 「ん、佐助、オレに任せて。今は寝ててよ」 「ありがとう、ありがとう狼」 草はらに横にさせ、するりと頭をなでればすぐに聞こえてくる小さな寝息。 それを横目に、狼はさて、今回の天女サマはいかに攻略しようか考えていた。 [次へ#] |