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依頼をどうぞ。
そのに





リンゴ飴を消費し終わったころに、お目当ての旅館へとたどり着いた。


木の葉の里一番の温泉があるといわれる旅館である。



「アニキ、ここでいいの?」
「うん、予約してないけど顔パスでいけるよきっと。カカシもいることだし」
「わぁ俺責任重大」

駆け込みでも安心この里の上忍。


「こんちにわ。今日泊まりたいんですけど部屋開いてます?カカシさんの紹介できました!」
「カカシさんの?開いてますよ」

玄関を開けて入った狼の口から出たカカシの名前に女将はにこりと笑って荷物を受け取るための手を差し出す。
にやりと隣のゆうの顔が歪んだのを見てカカシの肩がはねる。
気づいてこの子立派に腹黒だよ。

カカシの心中は狼に届かない。


カカシの名前のお陰で今日の宿が取れた二人は、そのままカカシの予定を聞き、カカシも一緒に泊まらせることにした。


「アノネ、俺暇なわけじゃないのよ?」
「でも明日お休みなんだろ?」
「そうだけどさー」

二人に出会ってしまったばかりに可哀そうに二人の休日に巻き込まれるカカシ。
けれども久々に二人に会うので仕方ないなと言いつつも内心嬉しい。

だって彼らは弟分のようなものだから。





「カカシ!これ美味しいな!」
「んー本当だねぇ」
「カカシさん、これも美味しいですよ」

自分たちの箸で差し出される美味しい夕飯。
自分の分も食べながらカカシはそれらも口にする。これが楽園か。カカシはそう思いながら二人の間に座っていた。



「お腹いっぱいになった?」
「満腹!」
「満足です」

美味しいご飯で満腹になることは幸せなことである。
幸せになったら笑顔が自然とあふれる。

「さて、じゃぁ温泉行く?」
「行く!!」




ここで問題だが、狼は自分が本当の性別と真逆の性別だと思われていることを理解していない。
けれどもそれは今さらなので。


「オレトイレー」
「じゃぁ先に温泉いってるから」

トイレで変化の術で性転換である。

「お待たせー!」
「んー」

かぽーんと湯桶の音が響く中で三人、温泉につかって一息つく。

「カカシ良い人いないのー?」
「…言わないお約束でショー。君たちは?」
「いないよー。ていうか出会いがないよね」
「それは俺もだからね」

そっと、ゆうがカカシの肩をたたいた。

「慰めなんていらないよ!!」

ただカカシの傷を抉っただけだったが。


まぁゆうの場合狙ってやっていることなのでカカシの反応は大変満足のいく結果である。




温泉を上がればそのまま敷かれている布団に入っておやすみなさい。


穏やかに眠る二人の兄弟の頭を撫でてカカシはマスクの下で微笑む。



「いつも頑張ってるよね。いい子」


自分の受け持ち生徒にもあまり見せない笑顔を向けるカカシの瞳には穏やかな光が映っていた。














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あきゅろす。
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