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噂話
二分の五話


「これ終わったらもうやることないし、学校の噂でも見に行こうかな…。」

僕は最後の文を書き上げてそっと本を閉じ、外に出る支度をした。

噂と言っても学校の近くの廃墟に女の幽霊が出るということだけだった。
まあ定番中の定番だし、一度は見てみたいよね。


そんなことを思いながら人に気づかれない様にそっと家を出た。


人の世界の外はもう薄暗く、日が落ちる頃だった。
…こんなに暗いなら大丈夫かな。
僕の体をふわりと不思議な風が包み込んだ。



目の前には噂の廃墟が建っている。

「ふーん…ここが…」

一見ただの廃墟だ。でも中から酷く嫌な気配がする…


ん?


廃墟の前に1人の男の子がいる…
少し怖がっている様だ。



廃墟の中から急に女の悲鳴が聞こえた。

あ、今のであの男の子完全にヒビっちゃったかな…
じーっとしてて動かない…


…もうこれ以上ここにいても仕方ないや、帰ろう。



バサッ


僕は小さな翼を羽ばたかせ静かに街へ消えた。




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