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噂話
三話



「……」

やはり家の中には誰もいない。
少し寂しいこの家になにか賑やかになるような存在が欲しいな。
ま、いつものことだけど。

ばたばたとまた靴を脱ぎながらそう思っていた。











ブー






ブー










俺の部屋にある携帯が何かを受信してる。
颯爽と部屋に足を運び机の上の携帯に手を取る。

そしてメールボックスを覗いてみるが。






「…?」


件名も、本文も、何も書いていない空欄のみのメールが一番上に表示されていた。
なんだこれ。迷惑メールか?
随分新しい方法だな。

まぁいい、俺はそのメールを消そうとぴ、ぴとボタンを押し入力する。











あれ?



消えない。
ボタン間違えてる?

何度も消去しているが全く消える気配はない。そのままメールボックスにずっと残っている。

…壊れてる?
んなわけないと思うけど。少し焦ってきた。
どうやったらこの変なメールを消せるんだよ。気味悪い。











ミシ











「……!」

廊下で足音が聞こえてきた。昨日の夜も聞こえたものだ。

家には俺以外誰もいないはずなのに。

「ッ…て…」

俺は床に片膝を着く。
また始まった。何か不思議なことや奇妙な事が起こると必ずあの印がある右腰に痛みが走るのだ。
これもまた厄介。もー色々あり過ぎて頭ん中ごっちゃごちゃだ。



足音はまだ聞こえる。痛みもまだ続いている。
足音はいつも俺の部屋のすぐ近くをぐるぐる往復している様だ。
もう殆ど毎日体験している事なのでもう慣れたっちゃ慣れたがやはり怖いもんは怖い。早くどっかいってくれ…














ミシ…
















そういえば、俺の部屋の中では絶対変な事は起きないな。部屋の中じゃないから良いってわけじゃないけども。














しばらくして痛みは消えた。足音も聞こえない。

「…ったく、なんなんだよ…」

はぁ、と溜息をつき俺はゆっくりと立ち上がる。学校のときみたいに変な化け物が家にわかなければいいんだけど。
てかなんでそんなのがこの世界にじゃんじゃか溢れているんだ。学校の生徒は見たことかあるのだろうか?

それも気になるが今はさっさと明日の支度をして休みたい。
俺はすぐ行動に移し。制服を脱ぎ捨てた。























ぼふっと布団に沈む音が広がった。
ふかふか気持ち良い…

俺は寝返りを打つ。
太陽の光を沢山浴びた布団をのんびり、ゆっくりと体全体で味わった。
お日様の良い香りかする。

明日は誠との約束の時間まで時間はあるし、ゆっくり寝てようかな…

俺は布団から一旦出て部屋の電気を消し、また布団の中に潜った。




おやすみ〜…













「どこだここは」

「まさか僕達まで境界線に飛ばされるなんて…」


…?
扉の向こうで声が聞こえる。
誰かいるのか?


「全く。早く私をこの薄気味悪い場所から連れ出してくれないか?」

「君も自己中だね、何でもできるって思わない方がいいよ」


二人いるのか?
てかこれって不法侵入…
体を起こそうとしても全く動かない。眠過ぎて意識がはっきりしない。


「直ぐ帰れるからいいんだけどね」



「……」

急に右腰に違和感が発生した。なんかむずむずする。
変な感じだ。









…もう声は聞こえない。何だったんだろう。夢?幻聴?

まぁいいや、眠いし気にしないでおこう。
俺は頭で考えるのをやめゆっくりと深い眠りに引き込まれた。








ぱたん


…今のは本が開く音?




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