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古キョン
夜の帳が下りる頃【1】
*若干キョンが他の男と絡むシーン有*

※ノーマル古泉×男色キョン




「あなた…一体、何をしてるんですか…?」


僕の今目の前に広がっている光景は、一体何なのだろうか。




【夜の帳が下りる頃】



真夜中。
重い身体を引きずって誰もいない道を歩く。

ここのところ閉鎖空間が時間を選ばず発生している。規模は比較的小さなものだが、こう連日続くとさすに疲弊してきてしまう。

今回も睡眠時間を削られて、僕の体力はなかなかピークに達している。


「……はぁ…」


近くの公園で少し休憩をとることにした。
座りやすいよう設計された緩やかにカーブしているベンチに座ると、身体に詰まっていた重い息を吐く。全身の力を抜き、その身を預けるように座る。

「……ん?」


真夜中独特の静けさと虫たちの鳴く声。それだけでなく何だか人の声もしているような気がする。しかも少し悲鳴のような…

まさかこの世の者ではないものを想像してしまったがそれはないだろう。


「………」

普段ならこんなこと、気にもとめずにさっさと帰路についているはずなのだが、何故か妙な胸騒ぎがして声のする方へと、動きにくい身体に鞭をうって、歩き出す。

ガサリ、

「━━━っ、━…!」


ベンチの裏側の草むら。
少しずつ近付いていくと段々その声はハッキリとしてくる。暗闇のせいで姿はよく見えないが、どうやら男ふたりのようだ。

木の影から様子を伺う。
こんな時間に何をやっているんだ…酔っ払いのケンカか何かだろうか?
あまり事件性も感じないし、もう自宅へ戻ろう。


そう思い、立ち去ろうとしたとき。


「━━━━あぁっ!!」


一際大きな声が聞こえた。

「?!」


僕は耳を疑った。
多少鼻にかかったような叫びだったが、あれは間違いなく…世界の鍵となる存在の彼ではないか。

バッと振り返って見るとその草むらの開けた場所を月が照らしていた。






男と交わり合っている、彼の姿を。




そして、冒頭に戻る。



「っ…こ、いずみ…?!」

「キョンくん!」


気が付いたら僕は彼の元へ駆けより、その素肌を晒している腕を掴んでいた。


「なっ何だ貴様っ?!」


男性に跨っていた彼を引き離し、強引につれていく。後ろでわめいているのは放置しておく。隣で彼も騒いでいたが、僕が着ていたブレザーを渡して近所迷惑になりますよ、と言うと黙って僕に手を引かれながら着いてくる。


…何故、こんなことをしているのか自分でも分からなかった。










「適当に服は出しておきますから」

部屋につくとまず彼を風呂場に案内して汚れを落とさせる。
問答無用で押し込まれて何か言いたそうにしていた彼だったが、先ほどの僕の剣幕におされてか大人しく言うことを聞いていた。

彼が風呂から上がり、とりあえず僕も軽くシャワーを浴びる。

それまで彼は静かにソファーに座っていた。




「……どうして、あんなことを?」

僕が出てから少しして彼に飲み物を差し出しながら聞いた。

先刻の出来事のような彼の性癖があったとは機関の調査では報告されていない。あの男性との関係についても同じだ。
だとすれば、あの行為(…恐らく出会い系だろうか)にはしったのは今回が初めてなのだろうか。
もし何度か繰り返ししているようであれば最近のこと…ということになる。

どちらにせよ、彼は大切な世界の鍵だ。

もし神に見つかり、世界の崩壊なんてことになったら本当に終わりだ。



「…お前に、関係ない」




*続く*

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あきゅろす。
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