小さな恋のうた
C
寮に戻っても相川は少し悲しそうな表情で…機嫌がなおらない。
「相川〜、僕、何かした?ねぇ、こっち向いてよ」
相川は僕に背を向けてベッドで横になっている。
「相川〜、喋ろうよ〜」
多分…原因は僕が副部長さんの事をカッコイイと言ったから…。
でも何で?ただそれだけだよ?それたけで怒る?
………、あ。
相川の…好きな人って、
副部長さん!?
それで相川ヤキモチ妬いてんだ〜!…可愛い♪
「相川、相川」
「………」
「安心してよ。僕、副部長さん好きじゃないよ」
「!」
相川はやっと僕と向き合ってくれて確認し始めた。
「ほ、本当に!?」
「うん。だから機嫌なおして?一緒にテレビでも観ようよ」
「マチ〜♪」
相川は機嫌をなおしてくれた。
そして6月に入り、図書室で勉強していると柔道部員の一人が本を読んでいた。
どうやら雨でランニングが中止になり、代わりに筋トレをして早く部活が終わったみたい。
……なら、今頃相川は寮にいるのかな?
僕は勉強をそこそこに切り上げて小走りで寮に戻る。
最近の相川は疲れて夜になるとすぐに寝るから、全然一緒に遊んでいない。
帰ったら何しようかな?
何しよう?
全然思いつかないけれど、それでも相川と一緒に何かして遊ぼうと思って…
帰ったんだけど…
帰るタイミング間違えてしまったっていうか…
だって!!
まさかあんなことしてるなんて…
ううん、みんなしてるとは思うけどさ?
ただ…
やっぱり……
人の現場を見るなんて事、ないからさ…?
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