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小さな恋のうた
マチの心境
四月の終わり。

体育の授業が終わって体育館から教室に戻ろうとしたら体育の先生に「南、お前相川とルームメイトだったな?」と声をかけられた。

「そうですけど…?」
「あの相川が部活入ったんだが…何かあったのか?」

……あの、って?


「さぁ…?先生、相川って…授業はどんな感じなんですか?」
「協調性が無いというか…マイペースというか…。ありゃぁ自由だな。…部屋じゃ違うのか?」
「いえ、自由です」

相川は授業に堂々と遅刻してきたり、学校に迷い込んだ猫を「マチ〜♪」と叫んで脱走したりと…何かと目立つ行動をしてしまうらしい。


「最初は目立ちたいがためにワザと反抗してんのかと思ったんだが…そうじゃないんだよな。悪意がない」

だからこそ、先生はなす術(スベ)がなく困っているようだ。

改めて思う。
相川ワールドは迷宮だ。

僕でさえ相川の分からない部分はたくさんある…。






放課後。

1年の時は1日の授業が終わると相川と待ち合わせて寮に帰っていた。
けれど2年になって相川が部活始めて…僕は一人で帰る。

相川は口数の多い奴じゃないけど…でも、1年前とは別人のように喋るようになったし、それに表情も読み取りやすくなった。



………。



………。



僕の隣に相川がいない。



……。



…そのうち馴れるか。早く帰って勉強すませよう!



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あきゅろす。
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