[携帯モード] [URL送信]

小さな恋のうた
A
部活に入ると言い出した相川にとてもびっくりしたんだけど(だって無気力な時はホントに無気力だし)、入る部活動の名目を聞いた時は更に驚いてしまった!

てっきり僕は部活動と言ってもそんなに疲れない文化系の…それこそ美術部とか茶道部とか化学部とか…なんていうか落ち着いた空間に入るんだと思っていた。
たしかに相川はイメチェンって言ったけど…


「どう、マチ!」


相川は明日から早速練習に参加するといって、部屋で柔道着に着替え僕に意見を求めてきた。


…どうってきかれても。

「うん…本当に柔道するの…?」
「…へへっ」


大丈夫だろうか?
相川はそんなに身長も体格も大きくないし…先輩とかにぶっ飛ばされるんじゃないかなぁ?

でも頑張るって
言ってるし…


それに…


僕としても
都合がいいかも…?

相川いっつも僕に付きまとってるから勉強、はかどらないし…。

部活始めちゃえば疲れて…すぐ寝るでしょ?


「相川…」
「?」
「頑張ってね!!」
「……っ!!マチ〜っ!!」
「うぁっ!?」


相川がタックルのような抱き着きを…っ!!


「マチ、マチ…っ」
「…何?」
「俺…っ、俺、頑張る!!見てて、マチっ」

僕は相川の決意を「ハイハイ、頑張れ〜」と軽く受け流した。



……でも…


あんまり人に執着しない相川をこんなに虜(トリコ)にするなんて…



どんな奴なんだろう…?



.

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!