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小さな恋のうた
決意
季節は秋に近づき、服で見えない背中やお腹の部分にアザが出来た頃、母さんが飽きもせずに私立の中学校のパンフレットを持ってきた。


「真知流、前向きに考えてくれないかしら?公立に行くよりずっと…真知流?」


僕は泣いていた。



あんなに欝陶(ウットウ)しく思っていたこのやり取りが、今では天の助け…ううん、正確には昔読んだ『蜘蛛の糸』の状況に似てると思うけど、それでもこの日常を変えられると思って…。

そしたら涙が出てきて…



「真知流、どうしたの!?」

僕は決意する。

「お母さん、あのね…」




正直全てを話すのは恐かった。だから原因をさけ、イジメられてる事実だけを話した。
すると母さんは「やっぱり公立の学校は野蛮だわ」と、小学校くらいは公立の学校に通わせろと言った父に向かって言った。





翌日から僕は学校に通わなくなった。



その変わり塾と家庭教師の先生にみっちり教えてもらい…




見事、醸成学院の特待生として入学することが出来た




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あきゅろす。
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