[携帯モード] [URL送信]

小さな恋のうた
年末D
…?ん


……誰か…





……呼んでる?






「…チ?…寝た?」
「うあっ!?ごめ…ッ」

一瞬寝てしまった…

「ううん、大丈夫?」
「ん?僕?」
「うん…落ち着いたみたいで…良かった」
「…!…ありがとう」

相川の声に集中してて気付かなかったけど、アイツらはいつの間にかいなくなってて…本来の静かな夜に戻ってた。

たった30分位の出来事なのに、僕にとっては物凄く長くて…。



それから少し相川と話し込んでたら、相川は僕を迎えに来ると言い出した。



.
「そこまで…悪いよ」
「行くっ、マチの家!行きたいっ!」
「…あぁ、ソレ目的?」
「…っ、ちゃんとっ心配、してる!」
「ん、分かってるよ」
「あと、寮…ずっといるし…春から。外、でたい」
「あ…っ、実家帰ってないもんね…。うん、おいでよ。お雑煮食べに…母さんが作ったヤツ結構おいしいよ?僕、バス停まで迎えに行くし…」



日時を決めると、時間も時間だからオヤスミってケイタイ切ろうとしたら、相川が慌てて僕を呼び止めた。

「何?何か言い忘れた事あったっけ…?」
「うん…マチ、」




相川は僕に挨拶をして電話を切った





『A HAPPY NEW YEAR』








時刻はとっくに12時を回っている…




相川…



ちゃんと今日が正月だって事、分かってたんだ…





数十分位前の事を思い返す…アイツと目があって、元クラスメイトに押しかけられて、凄く怖くて…でも相川が電話くれて…安心させてくれて…




「相川…」




僕はケイタイから聞いていた相川の声とその言葉を繰り返し思い出しては心に刻み込んでいた


『マチ、好きだよ』


相川が言うなら僕も、僕が好きになれるかもしれない…


再び穏やかな心地になって眠りについた




.

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!