小さな恋のうた
年末B
まさか…ブッ壊して入ってくるなんてこと…ないよね!?
そんな不安を抱いていると家の電話が鳴り出した。
…母さん!?
動けなかった足が電話の在(ア)り処(カ)へと早足で僕を誘う。急いで手に取ろうとして…でも電話の画面に表示された番号を見ておもいきり距離を離し、二・三歩下がる。
「この番号…っ!!」
アイツだ…!!アイツが家に戻って電話掛けてんだ…!!
その間も玄関の扉はドンドンガチャガチャ鳴ってて、「開けろ!」とかうるさくて、電話の着信音は鳴り止まないし…
何なんだよ!?
何がしたいんだよ!?
止めてくれよ!!
.
男好きになっただけでこんな仕打ち…あんまりだ!
もう気持ち悪い思いさせてないだろっ!?
別の学校通ってるし…
迷惑かけてないだろ!?
急いで部屋に戻って部屋の明かりを消し、布団に潜って耳を塞ぎ目をきつく閉め、早く止めてくれと願う。
それでも止(ヤ)まない嫌がらせ…イヤでも小六のイジメられた日々が蘇る
また…またなの…!?
またあんな思いを…痛みを…!?
イヤだ…イヤ…っ
誰か…っ!!
〜♪♪
ビクっ!
ケイタイの着メロがなった…!!
まさかアイツ、ケイタイの番号まで知ってるんじゃ…なんて不安もよぎる
まさか…
.
でも母さんかも…?
とりあえず画面を見てみる
…!
相川瑛利の文字が…!!
「あっ相川っ!!」
「!?」
僕は相川に喋る隙を与えず泣きながら名前を呼び続けた
相川…相川…相川…っ!!
「マチ…!?落ち、落ちついてっ何、あった!?」
「あっ…、…、こ…、怖い…っ怖いよ相川…っ」
「マチ、話せる…!?」
俺は泣きながら相川に縋(スガ)って話した。
原因は伏せて去年虐めらていたこと、そいつらが今、玄関前で暴れていること…すごく怖いこと…
「相川、電話、切らないで…っ!怖い…!何か喋ってよ…っ」
.
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