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小さな恋のうた
年末A
久しぶりにアイツを直視する…心臓に悪い…っ
よくよく見ればアイツを待ってたのは元クラスメイト…僕を率先して痛めつけてた奴らだ

固まっているとアイツが顔を上げ目が合って…僕はまた心臓に激痛が走る


見られた…!!


そう思った瞬間にカーテンを閉めたけど、同時に開かれたままの窓から「マッチー!」とアイツの声が聞こえた。
元クラスメイトたちが「マッチーって…あの?」と騒ぎ立てる。
僕はその声も聞きたく無くてカーテンの袖に手を入れ窓を閉め、その場で隠れるように身を屈(カガ)めて耳を塞ぐ。

それでも聞こえるアイツの声…

.
「マッチー!今から初詣行くんだ…っ、一緒行かない!?」

…少し声変わりした気がする。

それよりそんな大声…閑静な住宅街で迷惑だろっ、それくらい分かるだろ…!
やめてくれよ…!

「あいつって向かいに住んでたの?」
「へー、でも最近見ないよな?」
「不登校…だっけ?」

あいつらは今の僕なんか知りもしない…っ!
ううん、それでいい…っ
平和に暮らせるなら…なのにアイツはいちいち私立に行ったとか…近所で仕入れた感じの情報を丁寧に喋ってて…やめてってば…!!

早く初詣に行けよ…っ




♪ピンポ〜ン



.
ビクッ…!

……何?
また…数回鳴った…
部屋を出て階段を下り、玄関に繋がる廊下に出る…

何となく嫌な感じがする…だから玄関の扉まで近づけない…

その間もチャイムは鳴ってて…
「南く〜ん、一緒に遊ぼうーぜ〜!」
「出てこいよ〜」
元クラスメイトの声…!!

アイツの声はしない…
痺れを切らしたのか「開けろよ!」と玄関のドアノブをガチャガチャと鳴らしてて…それが薄暗い廊下に響いてめちゃくちゃ怖い…!!あげくにドンドンって…ドアおもいっきり叩いてくるし…っ



背中や握った手に、嫌な汗を感じる…



.

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あきゅろす。
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