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小さな恋のうた
12月
◆マチルSide◆


「う〜っ、寒いね〜」
「……うん」
文化祭も終わってテストも終わって…もうすぐ冬休みだ。
購買部で肉まんを買って食べながら帰る
「……一口」
「え?」
「……一口」
「またぁ?」
「…オレの、も、一口」
「あげるって?あんまん嫌いだからいーよ」
「………嫌い?」
相川は脳内に「マチあんまん嫌い」とメモる“間”をあけると、再び「一口」と迫った。
「…一口だけだよ?」
「うんっ」

…買い食いする度にたかられる。
だれかこの犬をしつけないとだめじゃないか?


「相川はどーすんの?」
「?」
「冬休み。実家帰らないの?」
「うん……無理」
「アメリカだもんなぁ…でも正月だよ?」
「うん…帰らない」
「…そう」
「…マチは?」
「僕?帰るよ。お年玉貰わないと」
そう言うと相川は淋しそうな顔をした。
そーゆー所はカワイイんだけどな…
お年玉貰ったら早く帰ってきてあげよう

「……いつ?」
相川が帰る日を尋ねるので答える
「29」
「!だっ、だったら、アレっ、一緒…!」

…何興奮してんの?

「ク…クリスマス…!」
「あぁ、そうだね」


外国育ちだと、やっぱクリスマスは重要なのかな?




.


クリスマス当日



購買部でショートケーキを二個買ってテレビみながら食べてると…

「…マチ、はい」
「?」
「…プレゼント」
「へ?」

目の前に小さな箱が…

「…開けてっ」
「…いいの?」
「うんっ」


……僕、用意してない


開けると高そうな時計が!
「どうしたのコレ!?」
「パソコン…」
「ネットオークションってこと?」
「違う…けど…それでいいや」

……?

僕が不思議そうな顔してると「気にしないで」と言った。

「貰えないっ」
「貰って!」
「貰えない!」
「貰って!」
「貰えない!」

どっちも引かない…


.

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あきゅろす。
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