小さな恋のうた
嵐(?)の夜に
◆相川Side◆
マチが俺とセックスは出来ないという。
恐怖症とかじゃなくて?
アレルギー??
…………。
…………。
何それ??
「意味、分かんない」
「だから、相川とセックスできない体なんだよ」
「前、シた」
「うん。前にしたからアレルギーだって分かったんだよ」
…………アレルギーってことは病気?
「どこか…痛い、とか?腰?」
「ううん、そうじゃなくて。皮膚が赤くなるんだ」
「ヒフ??」
「そう。朝起きると体中に赤いアザみたいなのが…」
「マチっ!違う!」
「え?」
「それ、キスマーク」
するとマチはきょとんとして俺を見る
……カワイイっ!!
「キスマーク…って、あの?」
「そう。俺、ちゅーしたアト!」
「えぇ?でも…マンガと違う…」
マチったら!!
どんなマンガ読んでるのっ!?もうマンガ取り上げちゃうよっ!!
「マチ…アレルギー違う、から…ね?」
そう言って続きをシようとしたらマチは「すごい雨だねぇ」と俺を押し退けて窓辺へ行き、カーテンを開けた。
マチっ!
空気読んでよっ!
頬を膨らませてマチを見ているとマチが固まって動かなかった。
「マ…」
俺はマチの名前を呼び掛けてハッと気づいた。
嫌な予感がしてすぐにマチの後ろへ行き窓の外を見る。
外は嵐のように風も強く、窓がカタカタと揺れている。
大雨の中、向かいの家の中に誰かの影が見えた。
きっと、あいつ。
あいつだ。
俺はマチの背後からマチをギュッと抱いてその影を睨んだ。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!