小さな恋のうた
A
たしかにそうだと思った。
マチは虐められるのが嫌で、だから勉強を頑張って頑張って醸成学院に入ったんだ…。
もし虐められてなかったらこの学校に来てないし、それに…それに…マチはアイツのものになっていた。
…って事は…何?
マチ虐められて俺ムカついてんのに…なのに俺は古川に感謝しなくちゃいけないの…?
そんな事を頭の中で考えて整理していたら、その隙に古川が殴りかかってきた。
さっきまでは俺が殴ってたのに…!!
そこからは殴ったり殴られたりで結局は引き分け…。
マチの仕返しがしたかったのに…
なのに傷ついたのは俺だった。
心が、痛い。
教えられた真実は俺にとってすごく都合の悪いモノで邪魔だった。
そんな真実、
俺はいらない。
けれどマチにとってソレはすごく大切なモノかもしれない…。
その真実はマチにとってものすごく…必要なモノかもしれない…。
でも…
でも、俺は
その真実は過去のものなんだからと言い聞かせて…
何度も何度も
言い聞かせて…。
マチには
伝えない事にした。
マチと俺は今を生きてるんだもん。
そんな真実、必要ないよ。
「マチ…ッ、マッ…マチ…ッ、俺…のこと…好き…?」
「え?」
「好き…言って!好き…言ってよ…!!」
アイツなんかよりも、
何百、何千、何万倍…大好きだよって言って…!!
俺を…
一人にしないで…!!
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