小さな恋のうた
C
「先生…、僕も気持ちを伝える事は大切だと思います。でも、何でも伝えてしまうのは…なんていうか、良いとは思いません」
「…確かに。それは一理あると思うよ。悪口や妬み、誹謗・中傷を伝えている人を第三者が見た場合、美しくないしね。…あっ、話がそれてしまう所だった。続けておくれ」
「…なんていうか、『今』を大切にしたいんです。告白する前とした後じゃ、確実に僕は変わってしまう…」
先生はどんな風に?と尋ねた。
「やっぱりショックで…落ち込むと思うし…」
「みんなそうだよ」
「でも、僕の場合…時間がかかるんです。落ち込んだ姿を相川に見せるなんて…できません。『自分が振ったせいで』なんて責任感じてほしくないし…」
「なら絶対に″数窒オないのかい?」
絶対に=H
僕は強くそう聞かれると「絶対しない!」って思っていた気持ちが揺らいでしまい、決意がリセットされてしまう。
はっきりしない日本人…僕のことだ。
「…今は…しません、絶対に。今は…」
「なら…いつするの?」
いつ?
いつだろう?
長束先生は「決めておこうよ」と僕に誓いをさせようとする。
僕はいつがいいのか分からない…するつもりなんてないのに…。
でも、するとしたら…
するとしたら…
中学が終わって高等部に上がる時に寮も高校生用の寮に移動になるから、相川と部屋が別々になる。
その時…かな?
でも、先に相川が卒業前の副部長さんに告白して2人はもう付き合ってるかもしれない。
「マチマチ?考えは決まったかい?」
「先生…」
「ん?」
「僕、告白します…」
「…いつ?」
「相川と…副部長さんの事を…、心から…祝福できるようになった時に…」
その時に「実はね」って、言えたらいいな。
「そうなの?」って相川がちょっとだけ驚いてさ、
それで笑い話になって…
相川とずっと…
友達として付き合って
いけたらいい…
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