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小さな恋のうた
B
僕が…相川に告白…?

「先生、僕はそんなつもりありません」
「スッキリすると思うよ。『当たって砕けろ』というだろう?」
「砕けるつもりはありません…」
「そこが『臆病』だと言っているのだよ、マチマチ。砕けてしまえば次の恋が初められるだろう?」



僕は考える。




僕は…





僕は…。




「先生の言う通り、僕はやっぱり臆病です…。でも先生、告白しない理由はそれだけじゃないんです…」
「どういう事だい?」
「…僕にとって…相川は、とても大切な人です。友達としてはもちろん…多分、恋愛対象としても。どちらにしても大切な存在です」

長束先生は黙って僕の言葉を聞いてくれる。
よく喋る人ではあるけれど、人の話を聞く耳を持っている人だ。



「でも先生、僕が告白してしまうと…確実に恋愛は敗(ヤブ)れてしまう…。それはいいんだけど…でも、友情まで壊したくない」

先生は「壊れる?」と、その言葉に疑問を持って質問してきた。

「なぜ君が壊れると思うのか分からないよ。相川とやらは君と同じ同性愛者だろう?君を気持ち悪がったり、君の側から逃げたりなんかしないさ」

先生はルームメイトだしねと付け加えた。


たしかに相川は同性愛者で僕の前から逃げたりしないとは思う。でも…

「…気まずいじゃないですか」
「え?」
「…友達で…同じ部屋で…気まずいです」
「そんなの最初のうちだけさ」
「でも『今』のままではいられないと思うんです…僕が」

長束先生は君が?と不思議そうな顔をした。


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あきゅろす。
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