うさぎとらいおん 4 「それとですね、今日はですね、お弁当を二人分作ってきましたっ」 「そう」 「見てください、これ、如月さんのはライオンさんが描いてあるんです」 「すごく、美味しそうだね」 耳元でささやかれて、くすぐったくなって、自然と笑みがこぼれる 今日は如月さん、機嫌が良いみたい、なんだか声がいつもより笑っている気がする 「「いただきます」」 二人で声をそろえて、昼ごはんを食べた 「どうでしょう、オムライス」 「うん…すごく美味いよ」 「よかった、気に入ってもらえて、僕、そういってもらえて嬉しいです」 「俺も、嬉しい…作ってくれて、ありがとう」 ただただなんでもない昼のひと時、如月さんと喋っていられるだけで、凄く貴重な時間に感じられて、幸せな気がした ひととおりご飯を済ませると、如月さんは、僕の腰に手を回して優しく抱きしめてくれた 耳元で優しく「ごちそうさま」って行ってくれた後、暫くして、規則正しい寝息が聞こえてきた…疲れてたのかな? そうだ、僕もスケッチをしよう、今日の嬉しい気持ちを込めて、風景を描きとどめておこう、今日という日を忘れないように… [*前へ] [戻る] |