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戦国乱世へレッツゴー!!
V
「う〜ん?・・・ハッ!」


カバっと起き上がる。


頭にズキンと痛みが走る。


「痛た。」


後頭部を抑える。


「ん?」


ちょっと待て。


「あたし・・・生きてる!?」


嘘・・・。


「目が覚めたのか。」


「へ?」


声のした方を振り向く。


多分、先刻あたしの前に座っていた人だ。


良かった・・。人間だった。


ホッ胸をなでおろす。


でもさ、


「あんた・・・誰?」


本当に誰だかが分からない。


どこかで見たことある顔のような気もしないではないが・・・。


ぁ、玲央の家にあった『戦国無双』のキャラに似てる!!


わかるのは、それだけ。


「なんじゃ、貴様わしの事を知らぬのか!?」


「知らない。あんた、そんなに有名な人なの?芸能人か何か?」


ぁ、でもこの人の顔なら、俳優ぐらい目指せるかも。


「げいのうじん?何じゃ?それは?」


はい?芸能人を知らない?


「えっと、芸能人って言うのは・・・。」


どう説明したら良いんだろう。


「なんじゃ、貴様も分かっておらぬではないか」


「なっ!?分かるもん!例えば・・・オー●リーとか」


「オー●リー?何じゃ?それは」


「・・・・・・・・・」


ダメだ此奴。


それはそうと、


「あんた誰?あぁ、こう言う時は自分から・・・だっけ?私は霧生 水蓮って言うんだ。あんたは誰?」


「わしは独眼竜政宗じゃ!!」


「へぇ?あんたの苗字、独眼竜っての?」


「馬鹿め!!わしは伊達政宗じゃ!!」


「伊達・・・政宗?」


戦国無双のにそっくり!!


「コスプレイヤーさんか何か?」


「こすぷれいやあとは何じゃ?」


あ、こいつ本物だ。


「いえ、もういいです」


もしくは、ただの馬鹿。



「で、貴様はなんじゃ?格好が変じゃし・・・。何者じゃ!?」


「えーと、人間!!」


「馬鹿めっ!!そのような事、見れば分かるわ!!」


「えーーー、だって言っても信じてくれないでしょう?絶対。」


「なんじゃ、言ってもいないそばから。」


「だって、あんた絶対あたしが未来から来たなんて言ったら、信じないでしょ?」


「あぁ、まず信じる事は出来ぬ。」


「ほらぁ、やっぱり。」


「じゃが、訳を話せば信じない事も無い。」


「訳ねぇ・・・あたし、一回死んだの。」


「なんじゃと!?」


まぁ、普通の人だったらそう言う反応するよねぇ・・・。


あたしは、下を俯く。


そう、あたしは死んだ。


電車にはねられて・・・。


「そうか、良く分からんが・・・貴様、わしに仕えぬか?」


「はい?」


何をどうしたら、そこまで飛ぶの!?


「貴様は中々面白い。わしに仕えろ。」


いやいや、なんで命令口調なの!?


「えーーー、嫌だと言ったら?(ニヤリ)」


「なんじゃ貴様、まさか断るのか!?」


断らないとでも思ったのか・・・?


「うん、私には夢があるから、一刻も早く元いた世界に帰りたい。」


「しかし、貴様は元の世界では死んでるのではないのか?」


「ハッ!・・・そうかも・・・。」


そんな私を伊達政宗は、ほらみろと言う顔で眺めている。


イラッと来たあたしは、伊達政宗のそばまで行って、その伊達政宗の綺麗な顔を思いっきり抓る。


「いててててて!!何をしよる!?馬鹿め!!」


「いや、何か先刻のあんたの顔がイラッときたから。」


すいませーんと一応謝る。


「ならば、敬語は使わなくても良い。戦にだけ出る遊兵としてわしに仕えぬか?」


「いや、あたし・・・人とか殺したこと無いし・・・。あたしのいた世界では人殺したら捕まっちゃうし。」


「ならば、ずっとここにいれば良い!」


お兄ちゃん、心配させるのは・・・。


「あたし、あんま人を殺すのは好きじゃない。」


てゆーか嫌い。


「ならば、殺さなくとも良い!」


「ねぇ、何であんたは私をここに置こうとするの?」


そう聞くと、政宗はニヤリと笑って


「貴様は面白い。だから、そばに置いておきたいのじゃ。」


「ふ〜ん?まぁ、いいや。帰る時まで、ここにいるよ。」


「本当か!?」


そう言って、政宗は目を輝かせる。


この時、柴犬のような耳と尻尾が見えたのは気のせいだろうか・・・?


「うん、じゃぁ、しばらくの間よろしくね、政宗。」


「あぁ、よろしく頼むぞ!」

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あきゅろす。
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