戦国乱世へレッツゴー!!
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「政宗様、奥州の地固めの為に田村家の愛姫様を御正室に御迎えして戴きたく。」
小十郎さんが衝撃的な言葉を発した。
あたしの手が止まる。
政宗に・・・正室?
「なんじゃ、またその話か・・・。水蓮、部屋に戻るが良い。」
「・・・うん。」
あたしは、政宗の部屋を出て自室へ向かう。
政宗に・・・正室、か。
そんな事、考えたことも無かった。
どうやら、あたしは此処に居るうちに此処が好きになっちゃったみたい。
「あっはは、・・・。」
―――やっぱり、政宗に正室が出来れば、あたし邪魔になっちゃうよね・・・。
そっか・・・。
“どうした、そのような顔をするなどお主らしくもない。”
あたしらしくない、かぁ〜。
「そっか、そうだよね!こんなに女々しい何てあたしらしくない!蒼龍、ありがとね。
元気出た!」
“そっちの方がお主らしい”
うん、でもやっぱりちょっと考えちゃうかな・・・。政宗に正室、なんて。
あーーーー!、もうっ!!こんなの、あたしらしくないっての!!
あたしは自分の髪をぐしゃぐしゃにする。
“どうした!?気でも狂ったか?”
「狂ってなんか無いさ。しっかりしなくちゃって思って、ネ★」
“そうか”
「うん、」
―――胸がモヤモヤする。
政宗は・・・誰かと――――。
「っ!」
目から、涙が出そう。
けど・・・ここでは泣けない。
誰かに見られながら泣くなんて、プライドが許さないことだもの。
自室に戻ったあたしは、声を出さずに泣いた。
「っ・・・ふ、うぇ」
政宗ぇ・・・。
ガラッ――――!
部屋の襖が勢いよく開いた。
「っ!?」
誰だ・・・このおっさん・・・。
「だ、誰!?」
つか、泣いてるところ、・・・・・・・見られたぁぁぁ!!!!!
「どうしたんだい?お嬢さん、泣くなら俺の胸で泣きな。」
そう言って笑うおっさん。
・・・・・・・・・・ゲロ吐きそう。
気持ち悪い事言いやがる。
冷めた目もしくは可哀想なものを見る目でそのおっさんを見る。
つーか、誰だ?このおっさん。
「・・・・・・・・。」
ハッ!レディの部屋に無断で入った!
殴って宜しいのかな?
“水蓮、殴ってはならぬぞ。”
はい!?もしかして蒼龍って人の心読めるの?
“まぁ、ある程度は”
じゃー、今まで考えてる事筒抜けだったって事!?
“あぁ”
Σ(゚Д゚|||)
「・・・・・・グスッ、ところであんた、誰?・・・あぁ、こういう時は自分からだっけ?
あたしは霧生 水蓮って言うんだ。おっさんは?」
あ・・・おっさんて言っちゃった(テヘッ★)
「俺かい?俺の名は雑賀孫市。って言うんだ。可憐なお嬢さん。」
「あーはいはい。雑賀馬鹿市ネ。」
孫を馬鹿に変えちゃいました★
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