まぜまぜ。
☆魔物の姿を借りた天使様
「終わりだ」
そう言って、傷だらけで地べたに這いつくばる私の目の前にいる、彼の赤い瞳が私を見下ろす。
ショッキングピンクの体には似つかわしい十字架を施したような仮面、魔物のような角。それはおぞましく恐ろしく見えたが、ただ背に生える翼だけが、天使のように思えた。
嗚呼、今、私を切ろうとしている貴方は天使ですか?それとも、おぞましい魔物なのですか?
それを聞くと彼は……。
「自分でも解らん」
静かにそう答え、持っていた槍を大きく振り上げる。
私は小さく悲しく、そうですかっとだけ呟いた。
せめて最後に、貴方が誰なのか知りたかった。天使なのか、魔物なのか、それだけでも知りたかったです。
まぁ聞いてもどの道、殺されることには変わりはないですが、何故か知っておきたかったのです。きっと知ったら、楽に死ねると思ったから。
私は彼を見上げる。彼は相変わらず槍を振り上げたまま、私を見下ろしていた。
血のような赤い瞳。きっと今までに幾つもの血を見たから、その色に染まったのでしょう。冷酷かつ残忍な瞳ですが、何故でしょうか……私には瞳の奥に光がほんの一瞬、見えました。
成る程、貴方は魔物の姿を借りた天使ですね。魔物の姿で天使の心を閉じ込めた、本当は優しい天使なのですね。
やっと解った貴方の正体。これで楽に死ねる。
私はそっと笑み、目を閉じた。瞼の裏で天使の彼を画きながら、死を待った。
「………散れ」
彼が呟いた刹那……私の生涯が断たれた。
きっと死んだ後の私は、微笑んでいたでしょう。
魔物の姿を借りた天使を最後に見れたのですから。
私は彼を恨んだりはしません。
彼を呪い殺したいとも思いません。
しかし、ただ一つ、願ったことがあります。
彼の瞳の奥で光を見たと同時に、彼の悲しみも見えました。
嗚呼、彼は悲しい天使なんだ。悲しい、哀しい天使なんだ。
だから魔物の姿を借りて、天使の心と一緒に悲しみを隠しているんだ。
そして、この願いを思い付きました。
『彼をこれ以上、悲しくさせたくありません。しかし、殺したいとも思いません。だから、彼を封印してください。いつの日か、彼の悲しみを理解して、そして癒してくれる方が来るまで、彼をそっと寝させてあげてください』
「…OK>…3・2・1…GO>」
有り難う大彗星様……これで…安心……し…て……消…えら……れ…る…。
……気付いたら私は……彼と同じ天使として、生まれ変わっていた。
生まれ変わったより、甦ったのほうが、正しいかもしれない。
そして風の噂で、彼が悲しみから解放されたことを耳にした。
よかった……。
あとがき。
一応分かると思いますが、ギャラさんの封印される前の話を書いてみました。
突発的に思い付いたものを忘れる前に殴り書きしたんですが;
ギャラさんを封印した謎の人物は誰なのか決まってます^^
ですが、ネタバレになるので言いませんwwwww
そのうちこの話しに合わせたものを書きますよ……多分←
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