覚悟
食堂に着くと一瞬だけ静かになりまたしても騒がしくなる
ここでも同じか
役員席がある二階へ行こうとした時
俺が今一番会いたくない人物の声が聞こえた
「亜矢、斗真、壮裕、陸、海!早く来いよっ!!」
一際大きな声が食堂に響く
あのマリモだ
俺は一気に体温が下がるのを感じた
最悪、だ
自然と眉間に皺が寄っていた俺に隣から声がかかった
「湊、出るか?」
その瞳には心配そうな色が混じっている
その優しさに少しだけ気分が晴れた
そうだ、俺はもう一人じゃない
「春が居るから大丈夫だ。行こう」
俺が言うと春はいつもの笑みを浮かべた
マリモが居るということはアイツらも居る
最近は全く会ってなかった、
いや、俺が避けていたかつての仲間
そろそろ向き合わなければ
俺も、アイツらも前に進めない
隣にいる愛しい人の存在が俺を変えた
次は俺の番だ
繋いでない方の掌を握りしめ意を決した
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