2 お互い逸らす事なく俺達の時が止まったように ただじっと見つめ合うだけ あー、はやく授業終わんねぇかな 再び瞼を閉じた春から窓の外に視線を移した 4限の終鈴が鳴ると同時に隣からガタッと音がし 「食堂行くぞ」 「・・・ああ」 そんな腹減ってたのか? どことなく早歩きの春を見てそう思った ふと俺の横で揺れる春の手が視界に入った ・・・手、繋がねえのかな 今朝の事をボーッと思い出していると 「何、繋ぎてぇの?」 「は!?」 いきなりそう言われ驚きの声が漏れた 無意識に見てたのか・・クソッ 嫌な笑みを浮かべた春が楽しそうに俺を見る あー、・・らしくねぇ 春が手を差し出して来たが俺は払い除けた ・・が、そう簡単にはいかず 無理矢理手を繋がされ丁寧に指まで絡めて 途端に周囲が五月蝿くなる そういやここ廊下じゃねぇか 今更気づいてもおせぇけどな [*←][→#] [戻る] |