2-S いつにも増して視線がうざい 見せ物じゃねえぞコラ どこかのヤクザのような台詞を声には出さずに吐く それくらい俺に向く視線がうざい いや、俺達に、か 仕方ないんだろうが周囲の反応があからさますぎて いい加減疲れてきた 久々に来た教室はいつもと変わらない気持ち悪い視線 けれどつい最近向けられる嫌悪が混ざった視線も多くなった どうせ春日あたりが適当に流している噂を真に受けたんだろ どうでもいいけどな 俺の席は窓際の一番後ろだ 春は確か廊下側だったな 離れるのは少し寂しい って・・・何考えてんだ俺 毒されてやがる 春から手を離し自分の席に着いた すると隣にドカッと春が座った 「今日からここ俺の席」 どんだけ勝手なんだお前 そう思いながらも嬉しく感じる俺は末期だな 授業が始まるとやはり簡単すぎて退屈だった 春も同じなのか机に突っ伏している いや、こいつはいつもこうだな まじまじと寝顔を見ていると 視線に気づいたのかゆっくり目を開け視線がかち合った [*←][→#] [戻る] |