3 「ふぅ・・・んっ」 軽く舌を吸われ離れる唇 「んな顔してると襲われるぞ」 誰のせいだ誰の 春は扉を開けそのまま廊下に出る こんな様子じゃ隠すなんてしないだろうし むしろ見せつけそうだ もういい、どうにでもなれ そして指を絡めるようにして手を握り返した 案の定すれ違う生徒達は俺達を見て驚き固まっている 普段の悲鳴に近いような声も今日は上がらない 静かすぎて逆に怖いくらいだ まあ、無理もねえな 犬猿の仲とか言われてた俺達が一緒に登校している まして手まで繋いでるんだからな そんな光景が面白くて自然と口角が上がった あ、やべ そう思い元に戻したが 先程の俺の顔を見た数人の生徒がどこかへ走っていった 隣から春の視線が突き刺さる こんくらいで怒ってんじゃねえよ 悪い気はしねえけどな 俺達は喋る事もなく けれどなんとも言えない甘い雰囲気を醸し 大量の視線の中手を繋いだまま教室へ向かった [*←][→#] [戻る] |