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はじまり





あれから、まるでマリモなんてこの学園にいなかったように穏やかな日々が過ぎている

前のような日常が戻って来たみたいだ

否、変わった事もある

俺と春が付き合ってるのは既に全校生公認だし、
俺の親衛隊も認めて今じゃ俺達を見守る会になってるらしい
入隊希望者はどんどん増えてるとかなんとか

役員も戻って来て以前の穏やかさを取り戻した生徒会室


「湊」

まあ、毎日のように春が仕事を放り出してここにやってきてはいるが
今日も今日とて当たり前といった顔で生徒会室に入って来た春を見て春日が溜息をつく

「南雲、あなたまた抜け出して来たんですか」

「ああ?お前に関係ねえだろ。俺は湊不足で死にそうなんだよ」

そういって俺に抱きつく春
人前でベタベタするなと言っても聞かないこいつに
何を言っても無駄だと学習した俺はほぼ諦めているので抵抗はしない

なんか、こいつと付き合ってから俺のキャラがどんどん変わっている気がして癪に触る
我が物顔で俺の腰を引き寄せる春に少し苛立を覚えた俺は
今だ春日に文句を言っている春の唇に自分のものを押し当てた

不意打ちのことに固まる春
ふんっざまあみろ
俺はニヤリと笑い再び仕事に取りかかった

瀬戸の「かいちょー大胆!」だとか双子の騒ぐ声だとか
色々聞こえたが無視した

頭上で春が小さな声で

「今夜は寝かさねー」

なんてほざいたので足を踏んでおいた



静かすぎず五月蝿すぎず、そんな穏やかな時間が流れるこの時を俺達は幸せに感じた






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あきゅろす。
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