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久々の食堂は少し・・いやかなりキツイ
ろくに寝てない頭に周りの声が響いて更に頭痛が酷くなった
相変わらずの視線
けれどその中にわずかだが普段感じない憎悪の籠ったものがあるのを俺はしっかり感じた
まあ今はそんなことより飯だな
役員専用席に座ろうと2階への階段を上ろうとしたら
「湊」
五月蝿い歓声の中からスッと耳に入ってくる低く心地の良い声
ああ、やっと
振り返ると想像していた通りの、1週間俺の頭を占領していた人物が
「久しぶりだな、春」
俺達はあの日以来南雲に言われて名前を呼びあうようになった
春ってのは俺が考えた、俺だけの呼び方だ
他にこう呼ぶ奴は居ないからな
仲良さげに挨拶を交わした俺達に驚いた様子の周囲
そりゃそうだ
今まで犬猿の仲と言われていた俺達がいきなり仲良く?なってるんだもんな
しかも名前呼びで
そんな周囲の奴らおかまいなしに近づいてくる春
流石っつうか一般生徒の前だぞ?
いくら春でも場所はわきまえるだろうな・・・
だがそんな俺の思いも虚しく打ち砕かれた
「湊切れ。俺死にそうなんだけど?」
やっぱりこいつはこういう奴だよな
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