幸せ
朝日でだんだんと意識が浮上してきた
最近まともに寝てなかったせいかぐっすり眠れた気がする
・・・つか、重てぇ
そう思いまだ重い瞼を少し開ければすぐそこに春の顔が
人肌恋しくもぞもぞと動き春の胸に顔を埋め再び眠りについた
暫くして髪に誰かが触れる感触で目が覚めた
「起きたか」
「・・・ああ」
だんだんと昨夜のことを思い出しなんとなく居たたまれない
「体、大丈夫かよ」
ふと春がそう言った
は?こいつ人の心配とかできんだ・・
あまりにも意外でつい春の顔を凝視してしまった
「・・・んだよ」
その様子が少し可愛く見えて笑いが漏れた
すると春が睨んできたのでなんとかおさめる
「睨むなって。腰はダルいが問題ねえ」
「そうか」
なんだこの甘い空気
俺に向けられる春の目が、俺に触れる手が
全てが、あまりにも優しいから
何とも言えないむず痒さを感じる
けれど嫌悪はなくとても心が満たされるような、そんな気分だ
その日は結局二人でサボって春の部屋に行き
一日中そこで過ごした
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