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噂の






「なあ、”藤の君”って知ってるか?」
「誰それ?」
「幻の1年主席のことだよ」
「あー!入学してから一度も登校してないっていう」
「なんでも超美人って噂だぜ」
「へえ〜。でも噂だろ?実際はブスかもしんねぇじゃん」
「だよなー。でも1回でいいから会ってみてえなー」
「はは、確かに」


今、御門学園で噂されている幻の1年主席、”藤の君”
その美貌は誰をも魅了するとかしないとか
しかし入学式にも姿を現さず、1ヶ月たった今でも彼を見た者は極僅か
一部では彼は存在しないのでは、とまで囁かれている



















そんな中、自分の噂が学園中に流れているとは知らず呑気に昼寝をしている少年が一人


「風が気持ちい〜」


彼の名前は藤夏葉(フジ ナツハ)、噂の当事者である

かなりマイペースな夏葉は入学式を寝過ごし
仕方なく学園内を歩き回りたまたま見つけた
昼寝にぴったりな人気のないスペースで毎日を過ごしている


「マシュマロ、おいで」


マシュマロとはこのお気に入りの場所で見つけた真っ白な猫のことだ
夏葉の癒しである


「みゃあ〜」


「ふふっ マシュマロは可愛いなぁ」



そこに夏葉に近づいてくる陰が


「おい、そこで何してる」


ふと声をかけられ振り返る


「・・・っ」



近づいて来た人物は驚きに目を見開いた





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あきゅろす。
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