イッツフリーダム
あの食堂の騒ぎから1週間
色んな意味で有名人となった夏葉には異例の早さで親衛隊が結成され
現在も入隊希望者が殺到しているらしく、隊長はその手続きに追われているとか
しかし、本人は何故か元気がなく自分の机に突っ伏していた
「夏葉ー、どうしたの?」
心配そうに尋ねる弥琴にゆっくりと顔を上げた
その表情は今にも泣きそうで
クラスメイト達はオロオロするばかり
「なんかあったのか?」
ただ事ではない夏葉の様子に樹も困惑の表情を浮かべる
するとずっと黙っていた夏葉が小さな声でぼそりと呟いた
「琥珀に、会いたい・・・」
その言葉を聞いたクラスメイト達は驚きはしたものの
夏葉の元気を取り戻す為には何としてでも風紀委員長に会わせなければ、と頷いた
それは樹と弥琴も例外ではない
(夏葉には笑顔が一番だしね)
「とりあえず風紀室に行ってみたら?」
弥琴の提案に勢い良く顔を上げる
「そっか!行ってくる!」
「え、いま?・・ってもう行ってるし・・・」
止めようとしたが時既に遅し
(あと1分で授業始まるよ・・・)
残されたクラスメイト達はなんとも言えない表情だった
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