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「あのぉ〜、俺達のこと忘れてません?」

完全に二人の世界に入ってしまった二人に魁が不機嫌そうに話しかける

「なんだ、お前ら居たのか」

魁の方をチラッと見て興味なさそうに言う琥珀に対し
今更!?とその場に居た誰もが思っただろう

「なんか岩撫キャラかわってな〜い?」

あまりにも普段を違う琥珀を見て
魁がおどけたように言えば

「黙れ。お前こそその緩みきった顔をどうにかしろ」

と言葉を返した

その顔は普段の冷酷委員長の顔に戻っている

「こわ〜い」

魁が明らかに怖がってない口調で要の後ろに隠れる

「おい、琥珀てめえそいつとどういう関係だ」

朔夜が琥珀に詰め寄るが

「ああ?てめえに関係ねえよ」

鋭い睨みを返す


いきなりはじまった(と言っても顔を合わせればいつもこうだが)
学園のトップ二人の睨み合いを
食堂に居た生徒はごくり、と固唾をのんで成り行きを見守るしか無かった


しかし、そんな緊迫した空気に不似合いな柔らかい声が響いた

「琥珀達は、仲悪いの?」

声の主は睨み合う二人を不思議そうに見つめていた

「夏葉・・・。まあ良くはないな」

「そっかぁ。じゃあ俺達食べ終わったから帰るね」

席を立つ夏葉に合わせ
次々と起こる予想外な出来事に
ぽかんとしていた樹と弥琴も慌てて立ち上がる

「ああ、またな」

「うんっ ばいばい!」

満面の笑みを琥珀に向け手を振る

ああ、これはヤバいと思った琥珀は
顔が緩むのを必死に押さえるので精一杯だった






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あきゅろす。
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