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夏葉がパスタを堪能していると
樹が思い出したように口を開いた

「そういえばさっきの事、説明しなくていいのか?」

さっきの事?と夏葉がハテナを浮かべていると

「そうだった!」

「さっきの事って?」

「ほら食堂に入った時の声だよ」

「・・・あー!」

すっかりパスタに夢中で忘れていた夏葉もようやく思い出したようだ


「あの声はね親衛隊だよ」

親衛隊というまたも聞き慣れない言葉に「なにそれ?」と首を傾げる

「親衛隊っていうのはね、簡単に言えばアイドルにつくファンみたいな組織で、
この学園では容姿や家柄の好い人には親衛隊が出来るんだよ。」

弥琴の説明を聞いてなんとなくは分かったが
いったいどんな活動をするのだろうか

「親衛隊ってどんなことするの?」

すると今度は樹が

「隊員はその人が楽しい学園生活を送れるようにサポートしたり守ったりするんだ。
襲ったりする馬鹿な輩もいるからな。」


容姿がいいものにはどうしても危険が伴ってしまう
そのためにも親衛隊は居るらしい


「ふ〜ん・・・じゃあ二人にもいるの?親衛隊」

弥琴はとても可愛い容姿をしているし樹もイケメンだ。
きっと親衛隊がいるのだろうと思い夏葉は聞いてみる。

「うん、一応ランキングにも入ってるしね」

本日何度目かわからない聞き慣れない言葉

「ランキングって?」

先程から質問ばっかしてるなぁと思いながら問う


「人気投票みたいなものだよ。
まあ、抱きたい・抱かれたいランキングとも言うんだけどね。
生徒会はそのランキング上位者の集まりでもあるんだ。
だから熱狂的な親衛隊持ちなんだよ」


なんだそれはと夏葉は怪訝な顔をした
そして生徒会に関わりたくないとも思った


そんな夏葉を見て弥琴と樹は苦笑いしながら答えた

「僕は抱きたいランキング4位」

「俺が抱かれたいランキング5位だ」


ランク上位に驚き同時に納得もできた
だって二人ともかっこいいし、可愛いもん

「でも夏葉ならすぐ親衛隊も出来てランキングも上位に入ると思うよ」

「俺もそう思う」

二人の言葉に夏葉は嫌そうに眉間に皺を寄せた

「そんな訳無いじゃん
それに俺興味ないし・・・」


夏葉の言葉を聞いて二人は顔を合わせた

「あいつ絶対分かってない」
「うん、危ないね・・」


二人がこんな会話を交わしてるとは知らず
食後のデザートに目を輝かせながら
嬉しそうに満面の笑みで頬張る夏葉
そんな極上の笑みを見た周りの生徒は
倒れたり前屈みになって慌ててトイレに駆け込んでいった



もちろん本人は気づいていないが

そしてギャラリーが更に増えている事にも気づいていないのであった






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