食堂パニック
午前の授業が終わりを告げるチャイムが鳴ると同時に
それぞれが弁当を広げたり食堂へ向かうため席を立つ
「夏葉、食堂行く?」
「うん。樹も一緒に行こう?」
「ああ」
三人で食堂へ向かえばすれ違った者は勢い良く振り返る
「ねえ、何か見られてる?気のせい?」
鈍い夏葉でも流石にこれだけ見られれば気づく
それほど視線が凄いということだ
「気のせいじゃねえな」
めんどくさそうに言う樹
「うん・・。
凄い事になるだろうとは思ってたけど、ここまでとはね・・・」
しかし夏葉はそれほど気にせず
ま、いっかなどとあっさり流した
ただこれから向かう食堂に胸が躍っていたので
そちらに気持ちが持っていかれていただけである
「夏葉その顔止めた方がいいよ・・?」
朝から頬が緩みっぱなしの夏葉に弥琴が少し呆れながら言う
「え、俺そんな酷い顔してた!?ごめんね」
しょぼんという効果音が合いそうにうなだれた
「いやむしろ逆・・・」
呟いた弥琴の言葉は夏葉の耳には届かなかった
[*←][→#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!