君の声をもっと教えて
あなたに名前を呼ばれると心が苦しくなる
あなたに名前を呼ばれると嬉しくなる
あなたに名前を呼ばれると切なくなる
あなたに名前を呼ばれると愛しくなる
「弥夜」
耳に心地の良い低い声で僕の名を呼ぶ
僕は声が聞こえた方に振り向き笑顔を浮かべた
「來臥」
「弥夜」
「來臥」
「弥夜」
「來臥」
僕達しかいないこの空間でただ名前を呼び合うだけ
それがおかしくてふふっと笑い声が漏れた
つられて來臥も笑う
「弥夜、好きだ」
來臥が甘い声で囁く
この声も好き
僕の名前を呼ぶ來臥の声が好き
「僕も來臥が好き」
どちらともなく引かれ合うように唇を重ねる
もっともっと名前を呼んで
あなたの声を聞かせて
僕はあとどれだけあなたの声を聞くことができるんだろう
後少しの短い期間、忘れないように
あなたの声を、僕を呼ぶ声を感じていたい
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