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恋心は梱包済み





side:嵐

今日も、大好きな人と会長の逢瀬を遠くから見守る任務を終えた

俺は生徒会第一副会長の親衛隊隊長、青柳嵐
弥夜様とは中等部で知り合った

中等部の入学式で初めて彼を見た時は心臓が止まるかと思った
色素の薄い茶髪に透き通るような茶色の瞳
とても奇麗で触ったら消えてしまいそうな儚い雰囲気をまとっていた



俺は一瞬にして心を奪われたんだ





入学式が終わって俺はすぐに彼の親衛隊隊長の申請書を出した
誰よりも早く、一番彼に近い場所で、一番に彼を守るために

弥夜様はとても優しかった
初対面でいきなり親衛隊を作りたいという俺に対しても決して嫌なそぶりをみせず
むしろ申し訳なさそうにしていた

弥夜様から会長と付き合う事になったと聞いた時は多少驚いたが納得もした
隣で一番見て来たからこそ分かる感情
いつの日からか弥夜様が会長に向ける瞳が変わっていたこと
気づかないはずがなかった

俺は弥夜様が好きだがどうこうなるつもりはなかった
だから弥夜様の恋を見守ることに決めた

辛くないかと聞かれればそんなわけない
けれどそれは他の隊員も同じことで
弥夜様のあんな奇麗な笑顔を見られるのならこのままでいい
俺達親衛隊は弥夜様の幸せを願っているのだから


「隊長、大丈夫ですか?」

俺の隣に座っていた副隊長の荒木小次郎が心配そうに顔を覗き込む

「ああ、そろそろ行くか」

返事をして立ち上がり静かな教室を後にした






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あきゅろす。
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