どんな姿になっても想う
あれから毎日が忙しくて
とにかくどんどん貯まっていく書類を処理するのに精一杯だった
要領がいい方ではないからどうしても時間がかかってしまう
最初は向井先輩に言われたように
僕が休んでしまって仕事がたまってしまったものだと思っていた
けどあの日から先輩はおろか誰一人生徒会室には現れない
もちろん、來臥も
生徒会室に来ないと言う事は仕事をしていないと言う事
何故、どうして、そんな言葉ばかりが僕の頭の中をぐるぐると回る
僕以外の役員が何故来ないようになったのかはなんとなく聞いた噂で知っている
「雄大に惚れた生徒会役員が四六時中一緒に居る」という噂だ
その中には來臥もいる訳で、ああ、とうとう僕は愛想を尽かされてしまったんだと思った
いつかはこんな日が来ると心のどこかで分かっていた
かっこよくて人気も凄くある、何もかもが完璧な彼に僕が不釣り合いなのは分かっていたし
何の取り柄もない僕よりも、雄大のように可愛くて無邪気で明るい子に惹かれるのは
納得したくないけれど、せざる終えないし当たり前なんだと思う
けれど実際二人が一緒にいる姿を見てしまうと胸がどうしようもなく苦しくて涙が出そうになる
僕はまだ來臥が好き
でもそれはもう來臥にとっては邪魔な気持ちなんだろう
まだ別れを告げられてはいない
僕から言うことは到底無理だろうから來臥から言われるのを待つ
辛い選択だけど今の僕にはそれしかできないんだ
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!