平凡な俺の生き方 いざ寮長室へ 俺はノムさんこと野村 北斗(ノムラ ホクト)センパイがいるであろう、寮長室へ向かった。 こんな所に来るのは、もちろん初めてだ。いくら相手があのノムさんでも、やっぱり緊張する。 深呼吸を1つしてから、扉の向こうへと声を掛ける。 「失礼しまーす。ノムさんいますか?」 入ってこい、と返事があったので扉を開けて中へ入る。 寮長室って言っても、基本的に俺らの部屋と同じ内装だ。ただ、寮長は1人部屋らしい。寂しくないのかな。 机に向かってるノムさんは、何かの書類と格闘していた。 「どーしたんだ和樹。こんな所に」 「俺ケータイ落としちゃったんスけど、届いてませんかね?」 「いや、届いてないぞ。どんなヤツだ?」 俺は自分のケータイの特徴を、出来るだけ詳しく伝える。ノムさんはそれをメモしていた。 「よし分かった、俺も探すよ。そうだ和樹、ケータイ止めたのか?」 「ケータイとめる??」 ケータイが無いのにケータイとめる?? 俺の混乱が顔に出たのか、ノムさんが助け舟を出してくれた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |