平凡な俺の生き方 . 「辰己さん…」 千葉は顔には出さないが、またかと内心思った。彼の用事も決まって、あいつの事だからだ。 「和樹知ら…」 「知りませんよ」 「即答かよ」 辰己はデカい図体を小さく丸めて、ため息を吐いた。顔には疲れの色が見える。 「どうかしました?」 「大した事はないんだが…」 辰己はそこで1度言葉を切って、言った。 「隼人がブチ切れそうなんだ」 「いつもの事じゃないですか。隼人さんなら大丈夫ですよ」 千葉は過去のあれこれを振り返る。 風紀委員長の小嶋 隼人(コジマ ハヤト)は、いつ見ても仕事に追われる苦労人だ。 元々ストイックな生活を送っていた隼人は、この1ヶ月でますますやつれたようにも感じる。その原因の大半は和樹だ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |