平凡な俺の生き方 . 興奮してゼーゼーと肩で息をする俺。 その場で固まって俺を見る千葉。 カチカチと時を刻む秒針。 妙な空気を打ち破ったのは、千葉だった。 「はははっ!誰がハゲだバーカ!」 千葉はどうやらツボったらしく、未だに笑いが治まらない。 てか千葉ってこんなヤツだっけ?キャラ違くね? ひとしきり笑いが治まって、はぁーと長いため息をついた千葉が俺を見る。 「お前は不思議なヤツだな瀬川。…ありがとな」 「…え?」 すでに制服に着替えていた千葉は、自室にニット帽を取りに行き、それを被った。 「お前とか傷の事知ってるヤツの前なら被らんけど、やっぱ目立つしな」 「…何なら俺がハゲ疑惑振りまこうか」 「遠慮するわ」 千葉は近寄りづらい男だと思ってたが、今朝の彼はかなりリラックスしてるように思える。もしかしたら、こっちが素なのかな。 この調子なら1年間やっていけそうだ。 あ、忘れてた。友達の輪作戦を決行せねば。 「そうだ千葉。アド交換しよ」「ああ、QRコードでいいか」 ……彼もスマホユーザーでした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |